Background 背景

「環境」を大きなテーマとして続けてきたスカウト活動および自分の人生を活かし、社会に還元できるような活動がしたいと考えた。

幼少期から持っていた生物への興味から、14年間続けてきたスカウト活動の中でも環境保全への取り組みや学習に関心を持ち、積極的な活動を行ってきた。

ベンチャースカウト時代には「ESD 持続可能な環境教育」に関して、世田谷地区・東京連盟ベンチャーフォーラムやCJKベンチャープログラムにおいてインプットや話し合いを行った。またその経験をもとに、高校の同級生に野営を通して生活環境について考えてもらう目的で「キャンプ行こうぜ!」プロジェクトを実施し、最終的には高校内で部活を作るまでに至った。

ローバースカウトとしても、世界スカウトムートでの環境奉仕、世界環境バッジの取得や、エコプロ2018への奉仕活動など、環境をテーマとした取り組みに多く関わっている。

スカウト活動外でも、JCI少年少女国連大使としてMDGs、SDGsについての学習、および積極的な啓蒙活動を行った他、小学6年生から高校を卒業するまでの7年間、自宅近隣の農業大学で「周辺の生物多様性へ影響が小さい作物保護法の開発(非化学的な農薬の開発)」をテーマに研究活動を行った。現在、大学では環境学を専門に学び、生物多様性保全、都市緑化の研究会に所属している。

このように、僕のスカウトとして歩んだ14年間は一貫して「環境」に興味を持ち、実際に取り組んできた期間である。今後はこれまでの活動を踏まえ、さらに高いレベルでの社会貢献へ繋がるプロジェクトを実施したいと考えた。

周囲の、環境への意識を向上したいと思った。

環境に対する意識が低いと感じる人と頻繁に出会う。SDGsを知らない、環境アセスメントと聞いてピンとこない、「環境問題」と言われて地球温暖化しか思いつかない、という人が、スカウトであるなしに関わらず、大勢いる。

学問として知識を蓄えていくうちに、環境先進国と呼ばれる国、北欧諸国では実施されているような環境政策やコミュニティ活動、環境教育が日本ではほとんど実施されていないことも知った。さらにその必要性が広く知られていないことも課題であると感じた。

「環境について知識を持っているのは枝迫が勉強しているからだろ」という人もいるだろう。しかし、多くの外国、特に北欧では古くから知られる一般的な知識、言葉だと言える。それが専門知識のように扱われることこそが、僕には大きな課題に見える。

今後の人生を通してこの課題を解決に導きたいという強い思いがある。

日本のスカウティングに新たな環境教育プログラムを持ち帰りたい。

「行うことによって学ぶ」というスカウティングは、環境教育にもってこいの学習環境であり、社会に果たす大きな役割の1つであり、僕の知っている日本のスカウティングにも、環境教育の要素がところどころ含まれている。しかし、それらは効果の薄いものであったり、環境教育に特化したものではないことが多いと感じる。

日本におけるスカウティングプログラムの選択肢の一つとして、新たな環境教育プログラムがあれば、より多くのスカウトが環境保全や持続可能な開発の視点から社会に貢献できるのではないかと考えた。

北欧諸国は、先に述べたように環境教育に熱心な国々である。そこで行われているスカウティングには、きっと、日本に持ち帰れるアクティビティがあるはずだ。実際に現地で経験し、持ち帰りたい。

写真や言葉を使って情報を発信していくことが好き。

幼少期から、写真に知識や情報を付け足して発表することを楽しんできた。自由研究や調べ学習、チャレンジ章のレポートにはじまり、中高では海外派遣の報告会や研究発表の場でも、同じように写真と文章を組み合わせることで発信を行ってきた。現在は大学の新聞会で編集長を務めている。

また、大学2年次に留学したオーストラリアでは、在籍している大学、留学先の大学から支援を受け、「日本人の視点から見たオーストラリア」をテーマに、現地で撮影した写真の個展を開き、学生や地域の方々に英語で情報発信を行った。

上で述べた課題の解決には情報の発信が不可欠であり、今回のプロジェクトでは写真を用いてそれを実施するのが効果的であると考えた。